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医療トピックス[長野県版]

松川村の長寿要因まとめ報告書に 信大医PT

医療タイムス 長野県版 2017.06.09 
医療ニュース
 「男性長寿日本一」の北安曇郡松川村住民を対象に、前信大医学部保健学科教授の本郷実氏(現JA長野厚生連南長野医療センター新町病院長)を中心とするプロジェクトチームはこのほど、3年間実施してきた健康調査の成果を報告書にまとめた。報告書によると松川村では、高血圧や糖尿病、脂質異常症で投薬を受けている住民のうち、血圧、血糖、脂質のコントロール良好が全国と比べ高水準。さらにアンケート調査を行った結果、生活満足感と主観的健康感が非常に高く、これらに影響する要因が明らかになったという。
 報告書はA4判、本文60ページ。地域連携協定締結に至る経緯や松川村健康長寿健診、講演活動など全14章構成。グラフや写真などをカラーページで紹介している。
 信大医は、2015年5月に松川村の特定検診に合わせ、「健康長寿健診」と銘打って29~94歳の910人の血圧測定や血液検査などを行った。血圧について見ると、高血圧で服薬治療中の70.3%がコントロール良好で、全国調査(60代)の男性29.9%、女性40.9%を大きく上回っている。糖尿病も全国を上回る好成績。
 生活習慣のアンケート調査は1700人を対象に行い、有効回答は577人。主観的健康感は、「非常に健康」「まあまあ健康」、生活の満足感は「非常に満足」「まあまあ満足」が、ともに8割以上を占めた。朝食摂取やストレスの有無など8つの習慣で構成するHPI(健康習慣指数)を算出した生活の満足感との相関調査では、両者に有意な相関が認められたという。
 本郷氏によると、現在の健診は「メタボリックシンドローム」が主体となっているが、今後注目されるのは高齢期に生理的予備機能が低下することでストレスに対する脆弱性が高ぶり、生活機能障害や要介護状態などの転機に陥りやすくなる「フレイル」を挙げる。10年後を見据えて、これから高齢化が進むことで変化していくと話す。
 同大医学部と松川村は2014年3月に「健康長寿を基盤とする活力ある地域づくりを推進する」ことを目的に地域連携協定を結んだ。本郷氏は「全国に発信して多くの人に参考にしてもらい、健康長寿につなげていきたい」と語っている。【6月12日号タイムスFaxに掲載】
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