わが国が超高齢社会を経て、多死社会へと向かう中、人生の最期に関心が集まっている。特に死因トップを走るがんは平均して生涯に2人に1人がかかり、3人に1人が死亡する。今秋、医療フォーラム「がん新時代 これからの緩和ケア」(福岡市)を企画してコーディネーターを務め、宮崎市で開かれた「介護の心」シンポジウムでは、緩和ケア診療所長の講演を聴いた。心身の痛みを和らげる緩和ケアはがんと診断されたときから始まるが、余命告知を受け、迎える終末期の緩和ケアの現在はどうなっているのか、リポートする。取材●藤野博史(医療ジャーナリスト)
■終末期の安心と尊厳ある緩和ケア 急性期病院の在り方とは
■宗教的な理念に基づく苦痛の緩和とはどうあるべきか
■緩和ケアとは医療だけではなく人を幸せにする全人的な取り組み
■「生きているうちに『ありがとう』っていおう」