諏訪赤十字病院(大和眞史院長)は11月29日、同院で開いた地域医療支援病院運営委員会で、委員を務める諏訪薬剤師会長の藤森和良氏から、「院外処方せんに血液検査データを記載してほしい」と要望を受けた。これに対し大和院長は、「早めに取り組みたい」と意欲を示した。
同委員会は、諏訪医療圏の三師会や6市町村の代表者ら15人が委員を務める。意見交換で藤森委員は、近年院外処方せんに血液検査データを記載している事例が増加していると指摘。「学会などでは、一定の効果が出ているとの報告がある。薬剤の適正使用が早期に分かるように、院外処方せんに血液検査データを記載してほしい」と求めた。これを受け大和院長は、「血液検査データ記載についての運用方法や評価を確認し、使い方の方針を定めてからなるべく早めに取り組みたい」と答えた。一方、現状の処方に対して、実際に検査データがどのように活用されるかなどについて、改めて共通の会議を開いて確認し、地域薬剤師との連携をより強化していくとした。なお、同院によると導入時期は未定という。
院外処方せんに検査データを表示することにより、薬の内容が患者の状態に合っているか確認でき、副作用の早期発見などが見込まれる。現在、県内で同データを記載している病院は、6月からスタートした丸の内病院のみで、来年2月から長野市民病院でも開始を予定している。
このほか委員会では、地域医療支援病院の運営について報告。今年度上半期の紹介率は約79%、逆紹介率が約96%で、承認要件の紹介率60%、逆紹介率40%をそれぞれ満たした。【12月4日号タイムスFaxに掲載】