県立病院機構本部研修センター(齊藤博センター長)は24日、質の高い医療を提供するため、教育指導者向けに本年度3回目のシミュレーション研修会を県立信州医療センターで開いた。ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター長のベンジャミン・バーグ氏を講師に招き、シミュレーション実践テストと振り返りのデブリーフィングのポイントについて、県内8病院の医師、看護師、臨床検査技師ら29人が理解を深めた。バーグ氏は指導者について、「学習者がシミュレーションで何を学んだのかを振り返りで発見できるよう導くことが重要」だと強調した。
発見を導くには、指導者が学習者の考えを良く聴き、行動を注意深く観察し、振り返りで学んだことが効果的だったかを確認することが必要だと説明。また、常に学習の目標を意識させることが大事だとした。
シミュレーション実践テストでは、看護師の夜勤一人立ちが目標のアナフィラキシー初期対応をテーマにしたシナリオを参加病院が作成。シナリオを作成した病院がファシリテーター役、シナリオ内容を知らない参加者が学習者役を務めた。実践後バーグ氏は、シナリオが教育とテストのどちらを目的に作っているかを明確にすることが重要で、学習者の評価表であるチェックリストの内容は、目標に対し行動したかどうかだけでなく、理解度や、学習者を一人立ちさせて良いかを判断できるよう細分化すると良いとアドバイスした。【11月29日号タイムスFaxに掲載】