HOME > 医療トピックス[長野県版] > 県医師の会が発足 警察の医療業務に協力

医療トピックス[長野県版]

県医師の会が発足 警察の医療業務に協力

医療タイムス 長野県版 2017.04.17 
医療ニュース
 検案など警察活動に関連する医療業務を行う「警察の業務に協力する長野県医師の会」がこのほど発足した。県内ではこれまで各地域の警察署からの依頼に応じて郡市医師会や地域の医師が協力して業務を行ってきたが、協力医師の高齢化による担い手不足や、特定の医師に依頼が集中し負担が大きいなどの課題があった。医師の会は今後、協力医師の参加を積極的に求め、検案の技能向上を目指す。県医師会常務理事で運営委員長を務める小池洌氏は「さまざまな医師の役割の中で検案は非常に大切な仕事の一つ。研修活動などを進めながら関係者間の情報共有を図って警察活動に協力していく」と話している。
 県医師会(関隆教会長)は、全国的な組織づくりを目指す日本医師会(横倉義武会長)の要請を受け、2015年から医師の会設立に向けて検討を開始。16年にかけて県内医師の検案業務従事状況や今後の継続意向を調査した。その結果99人が参加し、12月の理事会で運営委員会の規程が承認された。医師の会では▽死体の検案等警察の捜査協力▽死体検案能力の維持向上▽大規模災害時等の検案業務への協力体制▽会員相互の情報交換-などの活動を行っていく。
■3月に初会合、活動に向け意見交換
 東北中南信の各ブロック代表者や県医役員らで構成する運営委員会は3月に第1回の会合を開催。地域の課題について情報共有したほか、今後の活動に向け意見交換をした。
 県内の年間死亡者数は約2万5000人で、このうち検案に関わるケースは約1割。事件性のない日常の検案が基本だが、時間が不規則な上、山中の現場まで出向くこともあるなど医師の負担は大きいという。「協力は難しいという医師も多いが、公務として医師がやらなければならない仕事」(小池氏)。活動に協力し会に参加する医師を積極的に募っていく。
 警察の検視などに立ち会う医師の全国的な組織としてはこれまで、「日本警察医会」が活動してきたが、加入する都道府県警察医会は10数会にとどまり、14年3月末に解散。近年の震災で、検視立会いや検案を担う医師の全国的な組織と連絡網の整備が課題となっていたこともあり、日医は新たに警察に協力する医師の全国組織をつくることを決定。各都道府県医師会に対し、協力医師部会など組織の設置やリスト作成を求めていた。【4月18日号タイムスFaxに掲載】
この記事の完全版をお読みになるには、試読・購読の手続きをしていただく必要があります。
試読する 最新号から1ヶ月間無料でお届け 購読する 定期購読のお申し込みはこちら
※試読・購読は最新号からとなります。当該の記事につきましては、在庫状況
 などに応じ、媒体もしくは記事部分のみでのお届けとなります。
ページの先頭へ戻る