受給者負担金を除き、医療機関の窓口で医療費を支払わなくて済む「現物給付」について阿部守一知事は13日、全市町村で中学卒業までの窓口負担をゼロとする新たな制度を2018年8月に導入することを明らかにした。実施主体の市町村が条例策定や予算措置などの手続きを終え次第、医療機関や審査支払い機関を含めたシステム改修にとりかかり、8月の一斉導入を目指す。
県は現在、受診者の保護者が医療機関の窓口でいったん全額を支払い、後日受給者負担金を除いて返金する「償還払い方式」を採用。国が窓口負担のない市町村に対する国保補助金の減額措置を18年度から未就学児に限って撤廃する方針を打ち出したことを受け、見直しに向けて市町村と協議を進めていた。先月までに対象年齢を中学卒業まで拡大して全市町村での窓口無料化を実施する方針を示していた。
県健康福祉政策課によると、16年4月1日現在、所得制限なしで中学卒業までの医療費を全市町村で助成する都道府県は12府県。このうち現物給付を採用しているのは山形、群馬、岐阜、静岡、鳥取の5県にとどまる。阿部知事は同日の会見で「長野県はこれらの先進県とほぼ同程度の支援内容となる」と説明。「子どもを大切にしている県として、市町村と連携しながらこれまで以上に子ども支援の取り組みを進めたい」と話した。【4月14日号タイムスFaxに掲載】