長野市民病院(池田宇一院長)が昨年8月に開設した地域包括ケア病棟で、開設後6カ月の入院は約9割が自院からの受け入れで、利用診療科は整形外科が最も多かった。平井一也地域包括ケアセンター長がこのほど運用実績をまとめ、市医師会報などで発表。「今後は少しでもサブアキュートの受け入れを拡大し、在宅医療のバックアップ機能を高めていきたい」と課題を挙げている。
昨年8月から今年1月までの地域包括ケア病棟入院患者数は386人で、開設直後の8月は75人、9月は56人、10月は55人だった。その後は一般病棟の高稼働を反映して徐々に増加。11月63人、12月67人、1月70人で、病床稼働率は11月以降100%を超えて推移。平均在棟日数も短縮せざるを得ない状況が続いたという。
■在宅復帰率は平均93.6%
このうち365人は急性期を脱したところで受け入れる自院からの「ポストアキュート」で、在宅療養者等の軽・中等症急性疾患やレスパイトで受け入れる「サブアキュート」は3人にとどまった。退院患者は342人で、在宅復帰率は平均93.6%だった。
地域包括ケア病棟を利用した診療科は整形外科が最も多く57.3%。次いで脳神経外科9.1%、救急科7.3%と続いた。脳神経外科は転院待ちで利用する患者が多く、内科系は全体の約20%だった。
平井センター長は「患者さんの状態に見合ったポストアキュートのニーズに応える一方、サブアキュートの受け入れを拡大し、在宅医療のバックアップ機能を高めていく」と今後の展望を示している。【4月11日号タイムスFaxに掲載】