県立こころの医療センター駒ケ根(樋掛忠彦院長)は15日、新たに予約制で薬剤師外来を開設した。薬に対する悩み相談や不満を解消するような処方提案を行い、患者の満足度を向上させることが目的で、精神科での薬剤師外来は県内初となる。
開設の背景には、昨年12月に行った外来患者満足度調査で薬の相談を望む声が多かったことや、調剤薬局へのアンケートで「精神科の薬は得意分野ではない」や「精神科の患者にどこまで話していいか分からない」という声があった。
薬局長の五味和彦氏は「まだ開設して間もないのでどれくらいの需要があるか分からないが、患者が地域で暮らせるよう再発・再入院を防ぐために行っていく。精神科に対するスティグマ(偏見)や理解されていない部分もあり、これから病薬連携を深めて解消していく必要がある」と抱負を述べた。また、患者と話し合いながら主治医と相談し、精神科の多剤解消にも尽力していきたいとしている。
長年精神科疾患で悩んでいる患者からは、「もっと早く話を聞けていれば良かった」との感想があったという。
薬剤師外来は、同病院の17年度事業計画でも専門医療の提供として重点項目に挙がっており、薬剤師が訪問看護に同行し、薬に対する相談に取り組んでいく方針だ。【3月31日号タイムスFaxに掲載】