都内で在宅医療に取り組む髙瀬義昌医師(東京都、たかせクリニック)は19日、松本市内で開いた県薬学術大会で講演し、在宅医療現場でみられる「多剤服用」の問題点を指摘した。高齢者は5剤以上の服用で転倒の発生が増えるといったリスクを説明し、現場の医師や介護スタッフ、薬剤師が連携を深めながら適切な減薬に取り組む必要があると訴えた。
髙瀬氏は2004年、東京都大田区に在宅療養支援診療所を開設。認知症を始めとする通院困難な高齢者ら約400人の患者に対して在宅医療を行う経験から、在宅医療現場では多剤服用の問題が多く見られると指摘。飲み忘れ・二重服用のリスクが上昇することや、副作用が起きた場合の原因薬特定困難、「せん妄」誘発の可能性などを説明し、5剤以上で転倒の頻度が上昇、6剤以上で薬物有害事象の頻度が上昇するといった解析結果も示した…【2月22日号タイムスFaxに掲載】