災害医療関係者を対象に活動の際の不安解消やスキルアップを図るため、県は災害医療研修会を18日、長野赤十字病院で開いた。医療関係者ら約60人を前に、熊本赤十字病院総務課施設係の小川宜裕氏が「熊本地震における熊本赤十字病院ライフラインの現状」と題して講演。小川氏は震災を通じ停電や断水になった時を振り返り、「事前の準備が必要」と訴えた。
小川氏は、昨年4月に起きた熊本地震発生後の熊本赤十字病院のライフラインについて解説。震災を経験したことから重要なポイントとして①ライフラインの長時間停止を想定した対策②スピード感のある対応③マンパワーの確保―の3項目を挙げた。さらに小川氏は、「大震災はまさかこないだろうと思わずに、事前に各関係者との連携方法を決めておくことが重要」と説いた。
講演後のあいさつで、県災害拠点病院連絡協議会長の岩下具美氏(長野赤十字病院第一救急部長)は、「震災時には病院単位で計画を立てても不十分だと感じた」と述べた。また、「医療機関だけではなく、県や市などの行政機関を含めた計画が必要」と話し、地域の中で協力していき、今回の経験を今後に生かしていくとした。
このほか研修会では、長野赤十字病院の医療救護班が医師や看護師、薬剤師ら5人がそれぞれの立場で、熊本地震の災害救護活動を報告した。【2月21日号タイムスFaxに掲載】