地域の病院や診療所で将来働く意思がある学生のために設定された大学医学部の「地域枠」のうち、過去11年間で約13%に当たる800人分以上が埋まらず、一般枠分に充てられていたとみられることが24日、厚生労働省の調査で分かった。同省と文部科学省は、地域枠の入試を一般枠と明確に分けて実施するなどの対策を各大学に求める。
地域枠は大学医学部の本来の定員とは別に認められ、奨学金を受けた都道府県で一定期間地域医療に従事すれば、返済を免除される。厚労省が2008~18年度の入学状況について調査したところ、地域枠の定員計6533人のうち、同枠で入学した学生は計5689人にとどまった。残りの計844人分の大半は一般枠に充てられたとみられる。