厚生労働省は16日、介護の実務経験がある人が介護福祉士の資格を取るために必要な「実務者研修」の費用補助を拡充する方針を決めた。雇用保険の教育訓練給付制度を見直し、最大で費用の7割(年間上限56万円)を支給する。介護の人手不足が続く中、キャリアアップを目指す人などを後押しし、人材の定着につなげるのが狙い。来年4月から適用する。国家資格の介護福祉士は、大学、短大、専門学校などを卒業後、国家試験に合格して取得する以外に、介護業務に3年以上携わった人が国家試験に合格する「実務経験ルート」がある。このルートで受験するためには介護保険制度などを学ぶ実務者研修で450時間のカリキュラムを受ける必要がある。
教育訓練給付制度は、厚労省が定めた基準を満たす教育機関などの訓練講座を受けると、費用の一部が受講者に支給される仕組み。雇用保険の被保険者期間が3年以上であることが支給要件で、看護師や保育士、IT関係など幅広い訓練プログラムがある。