財政制度等審議会は23日、新たな財政健全化計画に関する建議を麻生太郎財務相に提出した。国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB)については「遅くとも2025年度までに黒字を安定的に確保」するよう要請した。政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に反映させたい考えだ。
財政審の榊原定征会長は23日の記者会見で、行政文書の改ざん・廃棄や福田淳一前事務次官のセクハラ問題などの不祥事が続く財務省に対し、「国民の理解を受けて財政健全化を進めるために信頼回復の努力をお願いしたい」と述べた。
PBは政策経費を借金に頼らずに税収などでどこまで賄えているかを示す指標。政府・与党は新たなPB黒字化目標を25年度とする方向で調整している。建議は「遅くとも25年度」や「安定的に確保」という表現を盛り込むことで、25年度よりも早い黒字化を目指すべきだとの意向を示した。