厚生労働省は8日、病院や診療所の経営状況を調べた医療経済実態調査の結果をまとめ、中央社会保険医療協議会に報告した。2016年度の一般病院1施設当たりの損益率(収入に対する利益・損失の割合)はマイナス4.2%と、前年度より0.5ポイント悪化。医師らの人件費増が要因で、統計を取り始めて以来3番目に大きなマイナス幅となった。
医療機関の経営安定化を求める日本医師会などから、18年度の診療報酬改定での引き上げ圧力が強まりそうだ。
調査は、報酬改定の基礎資料とするため実施。全国の病院1450カ所、診療所1744カ所などから有効回答を得た。
一般病院のうち、民間の損益率はかろうじて0.1%と利益を確保したものの、赤字経営が続く国立と公立はいずれも前年度より悪化した。また診療所の損益率は、前年度比でほぼ横ばいの13.8%だった。