厚生労働省は16日、中医協総会で、高額の抗がん剤「オプジーボ」の価格を50%引き下げる方針を提案し、了承された。これを受け、厚労省は2018年度の薬価改定を待たず、臨時措置として来年2月から値下げする。高額薬は今後も次々と登場する。特例による引き下げが続けば、企業の新薬開発に向けた意欲をそぐ恐れもある。新たな薬価ルール作りが急務だ。
オプジーボは当初、患者数の少ない皮膚がんの治療薬として保険適用されたが、肺がんにも適用が認められ、患者数は30倍以上に拡大。使用患者数が増えても高額な薬価は改定されない仕組みのため、医療費の膨張を懸念する声が高まった。厚生労働省も緊急値下げが必要と判断した。そこで中医協が10月から価格見直しを議論。初めは最大25%値下げする案を検討していたが、最終的に官邸主導で50%引き下げが決まった。値下げには「市場拡大再算定制度」を活用。年間の売上高が企業予測を大幅に上回り、1500億円を突破した場合には最大50%下げられる制度の特例を使った。