日本医療法人協会は9月26日、第2回経営講座を開き、約100人もの聴衆でにぎわった。厚生労働省医政局が2012年度医療施設経営安定化推進事業として行った「医療機関の経営支援に関する調査研究」の内容をもとに、川原経営総合センター代表取締役社長の川原丈貴氏、同社取締役の海江田鉄男氏が病院経営改善の成功事例を語った。
川原経営総合センター代表取締役社長の川原丈貴氏は、同社が厚生労働省医政局から委託され実施した「医療機関の経営支援に関する調査研究」の概要を説明した。調査の背景として川原氏が示したのは、民間病院経営の改善の必要性だった。これまでの日本の医療の提供体制は、民間を中心に量的増大、質的向上が図られてきた。民間病院は、地域に密着する形で地域医療の維持・向上に寄与してきたのだ。
しかし民間中小病院を取り巻く環境は、今後ますます厳しくなることが予想される。川原氏は、1990年では7326あった民間病院(医療法人4245、個人経営3081) が、2013年では6053(同5725、個人経営328)と1273減少していることを指摘。「今後は病床機能報告制度の導入、地域ビジョンの策定などの動きがある。自院の経営改善、また在り方を考えていくことが必要」とし、これまで以上に自院の強み、地域における役割やポジションを明確にし、さまざまな要素を総合的に判断した上で、中長期戦略の決定や経営改善に取り組むことが求められることを強調した。