スウェーデンでは院内アートの取り組みが盛んだ。それは庭園療法と呼ばれ、スウェーデン厚生省による庭園療法士の資格制度もある。今では日本国内でも院内アートを積極的に活用する病院も出てきた。今回はスウェーデン大使館で開催された「アート・イン・ホスピタル?やさしい病院環境を求めて」の報告会を取材した。
基本的な考え方
■アート作品による工夫で治療環境を調える 院内アートや庭園療法の効果
~スウェーデンの事例から
アートは人間に力を与えるのではないか―
庭園療法を考案した作業療法士、イヴォンヌ・ウエスタベリー氏は、「自然は人生の価値あるものを呼び戻す力を持ち、人が季節のリズムに従うことを簡単にし、日常のリズムを作り出すことをも教えてくれる。人間に与えられた五感を楽しみながら、自然の中で豊かな感性を取り戻し、支える」と提唱している。自然や芸術によって五感を刺激することで患者の意欲などを刺激するわけだ。
報告会での発表によると、スウェーデンの医療施設では多くのアート作品を目にするが、その取り組みは1930年代に始まったという。スウェーデン国会は公共の建物工事のための予算の1%をアートに費やすことを決めたのだ。特にストックホルム県議会は2%をアートにあてることとして、この取り組みに強い影響を与えてきた。≪続きは「医療タイムス~週刊医療界レポート」で≫