県立こころの医療センター駒ケ根(埴原秋児院長)は、児童・思春期と青年期医療の充実を図るため、「子どものこころ総合医療センター」の新棟建設に向けた準備を進めている。現在15床ある中学生までの児童・思春期ユニットがここ数年満床状態が続いていることから増床し、空白期間となっている高校生から20歳までの青年期ユニットを新設して連結拡充する。新棟の開設は2025年度当初を目指す。15日の運営協議会で説明した。
両ユニットの増床と新設は、摂食障害など長期入院治療や増加する発達障害などの医療ニーズに対応するもので、第3期中期計画(20~24年度)の重要事業の一つ。病院全体の病床数は変更せず、児童・思春期ユニットを20床に増床し、新設の青年期ユニットは10床を想定。また、同センターの開設に合わせ、児童・思春期、青年期の専門外来を併設するほか、これまでの大規模デイケアから児童・思春期を分離独立させて小規模デイケアや、精神科地域包括ケアに向けた精神科訪問看護ステーションの設置を検討していきたいとしている。
同センターの開設について埴原院長は「県内の児童精神科医療を推進するために精神科専門医やそれに従事する専門スタッフの教育と輩出を主眼においている」と説明した。開設に向けて21年度、児童・思春期、青年期医療に関する専門家の懇談会を開き、22年度基本設計、23年度実施設計、24年度建設工事に入る予定だ…【1月20日号タイムスFaxに掲載】