県内で新型コロナウイルス感染症が再び拡大傾向となっている。7月第2週に、県内で約1カ月ぶりの感染が確認されて以降、発生件数は右肩上がりに増加。4連休があった第4週には医療従事者2人を含め8人の感染が確認された。県内の感染者数は累計92人で、27日までに80人が退院した。
24日には、諏訪市在住の40代女性、東京都在住の40代男性の感染が確認された。諏訪市の40代女性は諏訪赤十字病院の医療従事者で、13日に咳などの症状が出て17日と20日、22日に医療機関を受診。PCR検査の結果、24日に陽性が判明した。女性は17日以降は出勤していない。
同院や県は女性と接触した可能性がある医療従事者や患者ら計220人の検査を行い、27日までに194人の陰性を確認した。同院は一般・救急外来の診療や手術を通常通り行う一方、面会は当面禁止とした。
25日には、安曇野市在住の40代女性と須坂市在住の50代男性の感染が確認された。安曇野市の女性は東京都から帰省中の24日に感染が分かった40代男性の妻。須坂市の50代男性は発症前の2週間に首都圏を複数回訪問したことが確認されている。
26日には諏訪市在住の50代男性と上伊那郡南箕輪村在住の30代男性の感染を確認。諏訪市の男性は24日に感染が分かった40代医療従事者の夫。南箕輪村の男性は昭和伊南総合病院の医療従事者で、内科系の病棟に勤務。24日に咳などの症状があったが、同日の日中と25、26の両日夜間勤務していた。県は27日までに男性と接触した可能性がある職員や患者計84人を絞り込み、順次検査を実施する。感染経路は調査中。同院は外来診療などは通常通り行っているが、入院患者への面会は当面禁止する。
医療従事者の感染が相次いで確認されたことについて、県専門家懇談会の久保惠嗣座長(=県立病院機構理事長)は「院内感染の可能性があり、病院自体の機能にも影響がある。非常に心配な事態だ」と懸念。30代医療従事者が、症状の発現後にも勤務していた状況を不安視し、「病院の職員がかからない、うつさないことを徹底してほしい」と強く訴えた。【7月28日号タイムスFaxに掲載】