長野赤十字病院(吉岡二郎院長)は、このほど開いた同院運営協議会で、大腿部の血管などからカテーテルを挿入し、大動脈弁の位置に人工弁を留置する心臓弁膜症の治療法「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」を来年度中に導入すると明かした。県内のTAVI導入施設は、JA長野厚生連佐久総合病院佐久医療センターと諏訪赤十字病院の2施設で、北信地域では初めて。TAVI開設に向けた施設改修工事の日程は未定だが、約3カ月間の工期を見込む。
吉岡院長は「北信地域における貴重な資源として、地域住民の役立つようにTAVI導入を決めた。引き続きソフト・ハード両面の充実に努めていく」と意気込みを語った。
また、同院は12月から産科病棟の改修を始め、陣痛、分娩、回復をすべて同じ部屋で行える「LDR」を新たに設けるとした。約10年後に移転新築竣工を予定する同院だが、築34年の産科病棟は老朽化が進んでいることもあり、改修に踏み切った。地域周産期母子医療センターとしての役割を担うため、環境整備を図っていく。
このほか産科の改修工事では、現在カーテンで仕切られている分娩室を個室に変更するなど、妊婦やその家族に配慮した設計になっている。なお、改修工事は3月末の完成を目指し、同院によると、1億円を超える大規模改修を見込んでいるという。工事期間中は分娩を受け入れる。【11月30日号タイムスFaxに掲載】