県病院薬剤師会(保科滋明会長)は19日、北佐久郡軽井沢町のホテルで開いた臨時総会で来年3月に任期満了を迎える役員の改選を行い、新会長に現副会長の神田博仁氏(信大附属病院)を選出した。任期は来年4月1日から2年間。神田氏は選出後のあいさつで、「各方面との連携にまい進していきたい」と話し、役員と会員に協力を求めた。
副会長には2期目の伊藤陽一氏(伊那中央病院)、3期目の吉澤忍氏(飯田市立病院)、新任の中澤勝行氏(松本市立病院)と堀勝幸氏(県立信州医療センター)を選出。監事にはいずれも新任の長谷部優氏(健和会病院)と百瀬陽子氏(一之瀬脳神経外科病院)の両氏を選んだ。
立候補者が各定数を超えなかったため同会選挙規定に基づき投票は行わず、総会出席者の承認により議決された。
神田氏は1960年生まれ、57歳。東京薬科大学を卒業後、信大附属病院や昭和伊南総合病院の薬剤部勤務を経て、2013年から信大附属病院副薬剤部長を務めている。
■シンポジウムで各病院の取り組み報告
また、同会は18、19の両日に学術大会を開き、19日のシンポジウムでは「キャリアパスとチーム医療における活躍」をテーマに各専門分野で活躍する病院薬剤師がそれぞれの取り組みについて講演した。
がん領域では長野赤十字病院の若林雅人氏が、がん専門薬剤師として専門性をどのように生かすかを解説。自身が呼吸器内科病棟を担当した当初、患者や医師への貢献度の低さを痛感したことをきっかけに、薬剤師としては当時珍しかったドクターカンファレンスへ参加したことを明かした。その中で作成した副作用表が多くの医師からの指示を得て、現在もそれを用いて患者指導を行っていると説明。経験などから臨床能力を磨くことが重要だとし、知識や刺激を得るために専門領域の学会参加は必須と話した。また、日頃から患者のために何ができるかを常に考えて、業務を行うことを強調した。
そのほかNST、精神、感染、救急、緩和の各領域から計6人が取り組みを報告。参加者約160人が熱心に耳を傾けた。【11月28日号タイムスFaxに掲載】