県は17日、健康長寿に向けた一体的な保健医療施策推進のための第2期信州保健医療総合計画(2018~23年度)素案を保健医療計画策定委員会(久保惠嗣委員長=県立病院機構理事長)に示した。県保健医療計画、歯科保健推進計画など9計画を包含し、新たにアルコール健康障害対策推進計画も一体化。予防から医療提供体制整備、疾病対策まで切れ目なく施策展開するための方向性を明確化し、6年間で10万人あたり医療施設従事医師数を250人以上にするなどの具体的な数値目標を定めた。
健康づくりについては、特定健診結果のデータ分析に基づく市町村事業の実施支援や、メタボリックシンドローム予防の普及啓発などを明記。学校や職場でのメンタルヘルス対策推進やオーラルフレイル対策の充実も盛り込んだ。歯科健診の機会拡充に向けては、健診を毎年受ける人の割合を52.9%とする数値目標を掲げた。医療施策では、従事者確保や周産期・精神科医療の連携体制強化などを盛り込んだ。
数値目標では、かかりつけ医、かかりつけ歯科医を持つ者の割合をそれぞれ67.4%以上、80%としたほか、10万人あたり医療施設従事医師数250人以上、就業看護職員数1389.7人以上とした。看護師の特定行為指定研修機関は現状のゼロから1機関以上とした。ほかに、往診実施医療機関や訪問看護ステーションの運営強化、二次医療圏ごとの災害医療マニュアル見直しも明示。災害時の小児医療、周産期医療体制の構築も示した。
疾病対策では、がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患、アルコール健康障害などについて専門的な診療体制整備や重症化予防の取り組み推進を明記。がん対策では、患者本位の医療の実現や、尊厳を持って暮らせる社会の構築を全体目標に掲げた。
二次医療圏は現行の10医療圏とし、事業や疾病ごとに圏域の設定や隣接医療圏との連携体制を構築する。
二次医療圏ごとに一般・療養病床数の基準値を算定した「基準病床数」の合計は1万8158床で、前回計画に比べ、357床増加。結核病床、感染症病床は現行通りで、それぞれ42床、46床とした。精神病床は、第5期障害福祉計画の最終年度に合わせ、2020年度末の基準病床数を3947床とした…【11月21日号タイムスFaxに掲載】