昭和伊南総合病院(村岡紳介院長)は2日、運営審議会を同院で開いた。2016年度の決算報告によると、患者数の増加と診療単価の上昇で増収となり、経常利益は前年度比23.7%増の5億1600万円を計上。純利益は前年度比28.6%増の2億3800万円となった。
病院機能と経営健全性の強化に取り組んだ「前期経営計画」の3年目にあたる同年度は、診療体制でも、前年度と比べ3人増となる33人の医師の確保に努めた。
杉本幸治駒ケ根市長は「経営状況は黒字で、今のところは順調。前期経営計画で財政基盤をつくりたい」と述べたが、村岡院長は「来年は診療報酬と介護報酬の同時改定があり、減収になる。経営努力はしていくが、医師へのコストも議論になっていく。今後は、労働者である医師の働き方も問題になるため、病院の進むべき道は困難」だと問題を提起。
これを受け、「伊南地域の医療の核としてあり続けてほしいが、医師への負担が心配」とする声が審議委員から挙がり、村岡院長は「近隣の伊那中央病院と飯田市立病院と比べると、医師の数は3分の1」とし、「高齢化に向けて、整形外科の医師はさらに必要」と見解を示した。
別の審議委員は、「10年前は産科がなくなる危機感があったが、今は昭和伊南があって当たり前になり、危機感が薄れている。住民理解が遅れを取らないように、地域に出向いて病院が現状を説明する機会を設けてほしい」と要望。
村岡院長は「常に考えている。私が直接説明する機会をつくってほしいと、議員にも頼んでいる」と応えた。【11月8日号タイムスFaxに掲載】