さらなる地域医療の発展を図ることを目的とした全国地方独立行政法人病院協議会(中島豊爾会長=岡山県精神科医療センター理事長)は10月27日、長野市内のホテルで第6回総会を開いた。県内で初めて開いた総会には、全国57病院から管理職員や医師ら180人が参加し、特別講演やシンポジウム、意見交換会などを行い交流を深めた。
同協議会は2012年に設立し、自治体病院の地方独立行政法人数は現在53法人88病院あり、この中の78病院が会員になっている。
総会では、京都大学大学院医学研究科医療経済学分野の今中雄一教授が「これからの病院経営と人・組織のマネジメント」をテーマに特別講演した。今中氏は、現在の保険制度について医療・介護の財源確保が難しい状況で一層改革の圧力が高まっているとして、「医療の質やアクセスをしっかり確保して可視化させ、経営が悪化しないように改善していくことが重要」と解説した。
また、今中氏はマネジメントについて、「医療の質指標などのデータを活用して改善につなげるには、組織の体制がポイントとなる」と述べた。ポイントとなる体制については、「自発的にマネジメントの課題を見つけ、トップダウンだけではなく、管理職員とスタッフの情報共有や、多職種協働のグループで連携強化を図ることができる組織が必要」と話した。
このほか、厚生労働省医政局地域医療計画課の久米隼人課長補佐が「目指すべき医療構造改革とは~医師の働き方を中心に」、総務省自治行政局市町村課行政経営支援室の植田昌也室長が「地方独立行政法人における適正な業務の確保について」と題し、それぞれ講演した。【11月2日号タイムスFaxに掲載】