信大医学部保健学科と信大病院看護部は10月28日、在宅療養支援推進のための関係法規や社会資源を学ぶ医療職向け公開講座を開いた。在宅支援で関係する「福祉六法」や、医師法など医療提供に関連する法の理解を深めたほか、多職種連携の調整役として活躍する「医療コーディネーター」の役割などを聞いた。
松本市医師会の医療コーディネーターで主任介護支援専門員の岡村律子氏が「在宅療養支援推進のための関係法規と社会資源」と題して講演した。
岡村氏は、介護保険サービスを利用するにあたってはケアマネジャーの役割が大きいと話し、「弱者であり情報を持っていない人に対して複雑なサービスを分かりやすく説明できる力が必要」とした。また、多職種連携の現場で、居宅介護支援事業所のケアマネや地域包括支援センターの職員は「自分の(多職種)チームを持っている」と説明。「上から目線」などと嫌われてチームに入りにくい人や職種もあるなどとした上で、利用者の不利益につながらないよう、うまく連携して情報共有する必要があると呼び掛けた。
今後の在宅医療と介護の連携推進にあたっては、市町村や医師会に「医療コーディネーター」を配置することで連携の調整を効率的に行うことができると指摘。松本市が医師会に委託設置する介護と医療連携支援室では、医療コーディネーターを中心に「医療介護支援マップ」作成や隊員支援連携勉強会の立ち上げなどさまざまな活動を行っていることを紹介した。
公開講座は、保健学科と看護部が2014年から18年まで取り組む連携事業「実践力ある在宅療養支援リーダー育成事業」の一環で、学生や介護職員らが参加した。【11月1日号タイムスFaxに掲載】