食生活を通じて循環器病や生活習慣病の予防を目指す長野市民病院(池田宇一院長)はこのほど、同院内レストランのクロスカフェ(株式会社創備・山梨県)と共同で減塩に特化した定食を考案した。考案した「信州づくしヘルシー減塩定食」は、国立循環器病研究センターの登録商標である「かるしお」の認定を取得。同院によると、これまでは調味料や弁当などが認定されていたが、定食では国内初という。
「かるしお」認定は、食塩相当量を単に減らすだけではなく、エネルギー量や各栄養素などの基準値がそれぞれ定められており、この基準値をクリアすることが条件。認定取得により、「かるしお」マークの表示が可能となり、消費者に分かりやすく食生活の改善をサポートする。
同院は近年、「心臓血管センター」を開設し、「脳卒中センター」とあわせて脳・心臓・血管疾患の診療体制充実を図っている。一方で、県民の塩分摂取量は多く、将来的には循環器系疾患患者が増加すると予測し、予防に重要な減塩食に注目。池田院長を筆頭に、減塩食の普及と地域住民への関心を高めるために認定取得に至った。
今回認定を受けた「信州づくしヘルシー減塩定食」は、地元の食材を生かしたメニューになっている。信州米豚のヒレ肉を使った料理をメーンに、松代産の長芋や信州産きのこの付け合わせなどが並ぶ。食塩相当量を1.8gに抑えながら、カロリーや各栄養素が取れ、天然だしのうま味成分を利用した調理上の工夫がされ、しっかりとした味付けに仕上げたという。
同院内レストランのクロスカフェで11月1日から、税込み価格980円で販売する予定。人間ドック受診者をはじめ患者や病院来訪者、地域住民ら誰でも食べることができる。
今回の企画を担当した健診センター健康管理課長の岩崎真也氏は、「誰でも気軽に寄って食べてもらい、さまざまな場所でこの定食や活動が広がってほしい」と今後に期待を寄せた。【10月13日号タイムスFaxに掲載】