相澤病院(田内克典院長)はこのほど、2007年10月から稼働するトモセラピーを最新の「TomoHDAシステム」に更新し、2日から診療開始した。導入から10年が経過し保守管理の課題が大きくなったことや、品質向上への期待から新システム導入に踏み切った。同院がん集学治療センターの小田京太医師によると、回転効率の向上により一定時間で治療できる人数が1.3%程度増えるほか、余分な放射線が当たらないよう調整する機能も強化。腫瘍部位に接した正常組織への被爆軽減にも寄与する。
診療再開までに3カ月の空白期間が生じたが、患者は周辺医療機関へ紹介したほか可能な場合には待機を求めて乗り切った。再開後はすでに1日15人程度の予約が決まっているという。新システムについて小田氏は「この10年のコンピューターの進歩でAI化が近づいた」と説明。レスポンスやしぼり性能の向上を始め、細かな機能強化を重ねたことで装置の精度管理が飛躍的に向上したという。
更新に合わせ、機器周辺の内装も一新した。アプローチの壁面全体に安曇野平を一望する風景写真を配置したほか、壁紙や建具の色にもこだわって快適な治療環境を創出。天窓風の装飾も施し、明るい雰囲気となるよう工夫した。
16年11月末時点で、全国のトモセラピー導入先は48施設52台。県内ではほかに佐久総合病院が導入している。【10月3日号タイムスFaxに掲載】