県上田保健福祉事務所(長棟美幸所長)は9月28日、上小地域医療・介護連携推進研究会を上田合同庁舎で開き、医療、介護、行政関係者ら約130人が参加した。同会が昨年度策定し、4月から運用している「入退院調整ルール」について、内容の見直しや関係者・地域住民への周知方法をグループワーク形式で話し合った。
同会は昨年度、介護サービス利用者や新規利用者の入退院に際して、関係者同士が円滑に情報を引き継ぎ、在宅療養で困らないための「入退院調整ルール」を独自に策定。運用から半年が経ち、内容を見直した。
ケアマネが病院へ、病院がケアマネへ情報提供する「利用者情報提供書」、「看護情報提供書」の共通書式については「認知症状やアレルギーの記載欄も欲しい」などきめ細かな提案が挙がったが、一方で「記入項目が多過ぎる。必要事項を絞った方がいい」などの意見も多かった。
啓発チラシ原案については、「ケアマネへの連絡をとにかく前面に」、周知については「自治会で回覧を」「スーパーやドラッグストアなどに置き、幼少期から知ってもらう」などそれぞれ意見が出た。
急な入院でも円滑な手続きができるための必須道具「入院時あんしんセット」は、これまでの協議でも「ケアマネが日頃から準備の声掛けをする」を重点項目としてきた。ケアマネの名刺、健康・介護保険証、診察券、お薬手帳をまとめた同セットの確実な置き場所について、「冷蔵庫内がいいのでは」などの意見も挙がった。
調整ルールの整備が進む佐久地域との連携については、上小地域の患者が入院した場合、「入院先の地域ルールを適用する」とした。
同会はルールの見直しにあたって8~9月、地域の医療機関や居宅介護支援事業所などにアンケート調査を実施。調査結果では「ルールを知っている」が100%、入退院調整で「ルールに沿った調整を実施している」または「参考にしている」は計97%を超え、活用が進んでいる結果となったものの、医療・介護の連携について「促進された」は約3割にとどまった。
同会は今後も見直しのための協議を行っていく予定だ。【10月2日号タイムスFaxに掲載】