県の医師確保や地域医療の充実を協議する地域医療対策協議会(久保惠嗣会長=県立病院機構理事長)は15日、県庁で開き、将来の医師確保策について意見交換した。県の修学資金貸与事業など医療従事者を増やす取り組みについては一定の成果が見込まれるとして、今後は地域に医師を定着させる体制づくりにシフトする必要性を指摘する意見が目立った。
県の医学生修学資金等貸与事業は、県内の医師不足病院で一定期間勤務すれば返還を免除し、従事する診療科は規定していない。2019年度まで事業を継続することが決まっており、2006年度の制度創設以来230人に資金貸与した。18年度には100人の貸与医師が義務年限に入り、今後も増加していく見込みだ。
県はこのほかにもドクターバンクや医師のキャリア形成支援など、多角的な事業によって将来の医師確保につなげようと試み、第7次保健医療計画では10万人あたりの医療施設従事医師数250人以上とする数値目標を掲げる方針。
この日の会合では「一定の期間、地域に交代で派遣されるシステムをきちんと作れば、(出向する)人材はいる」「知名度やさまざまなシステムによって人材が集まる地域はある。県も人を集めるシステム作りを考える必要がある」「キャリアを積んだ中高年医師の方向転換を支援するなどの方法も考えられないか」などの意見があった。
協議会ではほかに、来年4月から始まる新専門医制度における県内の専門研修プログラムを確認した。【9月20日号タイムスFaxに掲載】