県は1日、第3次県がん対策推進計画策定に向けて、2017年度県がん検診検討委員会(増田裕行委員長=佐久市・増田医院)を県教育文化厚生協会で開き、がん検診実施状況の報告やがん検診の精度管理について議論した。
県はがん検診の精度管理指標について、調査体制の構築における調査手法の検討や関係者との事前調整を重視していると説明。これに対し委員から、検診対象者の情報管理やがん発見率などの項目を設けたチェックリストを配布し市町村ごとまとめる仕組みはよくできていると評価したが、現場で検診に携わる者の技術面や使用する機器面の精度管理のほうが大事ではないかと指摘した。
別の委員から研修会について、この委員会主催はないが、各医師会の検証委員会が開催している研修会に県が共催するなど検討してほしいとの意見が出た。
このほか、「県内の対策型がん検診をどの施設で行っているか現状では誰も把握できていないため早急に対応したほうがいい」「子宮頚がんは発症者が多い20~30代の受診率推移のデータが必要で、従来の20~69歳を対象にした統計を見直したらどうか」「市町村よりも職域での検診率が低いので何か対策をとるべき」などの意見が挙った。
また、県が10月15日から開く「がんと向き合う週間」では、テーマを「がん検診、受けっぱなしになっていませんか~精密検査で早期発見・早期治療」に、市町村や地域の企業・団体などと連携した街頭啓発と県民向けの講習会などを開く。県内では全国に比べ男女とも大腸がんの羅患が多く、女性のがんの部位別死亡率が最も高い。一方で、大腸がん検査受診率は70.1%と低く、受診率目標の90%に達しないため、大腸がんに関するクイズを書いたトイレットペーパーを企業に配布するなど啓発を行っていく。【9月7日号タイムスFaxに掲載】