JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院(西澤理院長)で4日、セイジ・オザワ松本フェスティバルの「特別出前コンサート」が開かれた。入院患者やその家族、病院職員など約180人が心弾む夕方を過ごした。
県では、約10年前から松本市内で行っているセイジ・オザワ松本フェスティバルの出前コンサートを松本市外の病院や福祉施設で鑑賞してもらおうと、「特別出前コンサート」を企画。開催場所は、これまで行っていない、受け入れ可能な病院や福祉施設で、地域バランスを考え選考しているという。
この日の奏者は小澤征爾音楽塾オーケストラメンバーの4人で、ヴァイオリンの大内遥さんと竹歳夏鈴さん、ヴィオラの湯浅江美子さん、チェロの池松隆さんによる弦楽カルテット。演奏は午後4時にスタートし、ユーモアのある司会に会場は笑いに包まれたまま進行した。約1時間、クラシックは静かに聴き入り、「上を向いて歩こう」「夏の思い出」など会場全員で歌った。
県県民文化部文化政策課芸術文化係の宮川可南子氏は、「松本市内だけでなく、より多くの人に楽しんでもらえるのが出前コンサートのいいところ。入院中は生のコンサートに行くのが難しいのでフェスティバルの雰囲気に触れてもらえれば」と話した。
次の開催は未定だが、西澤院長が「ぜひ定番出前コンサートにしてもらいたい」と話すと会場から大きな拍手が起きた。【9月6日号タイムスFaxに掲載】