自民党の羽生田俊参議院議員(元日本医師会副会長)は23日、県医師会で行った国政報告で、地域医療連携推進法人のあり方について言及。「地域の医療の抱え込みになってしまう心配がある」と懸念を示した上で、医師会が旗振り役として地域における医療、福祉のネットワーク化に取り組むべきだと話した。
地域医療連携推進法人は、2015年の医療法改正により制度が創設。今年4月の改正法施行に伴い、12市町の施設が参加する愛知県の尾三会を始め、兵庫、広島、鹿児島の4法人が認定された。高齢化や人口減少に向けて医療や介護施設がネットワークを作り、地域の実情に合わせた医療体制を整備することが目的で、参加する施設間での医療機器有効利用や、ベッド数調整などのメリットがあるとされている。
これについて羽生田氏は、「やり方を間違うと、その地域の医療機関は法人に参加しないと患者が来なくなるような状況が簡単にできてしまう」と指摘。その上で「医師会が(旗振り役を)やるべき。そうでなければ、地域の医療の抱え込みになってしまう」と持論を述べた。
国が進めるさまざまな医療規制改革については、「民間議員のアピール合戦になり、何度も同じことを繰り返し提案している」と現状を批判。「抜本的な構造改革とはほど遠く、規制改革による将来像さえ想定できていない」と苦言を呈した。【8月25日号タイムスFaxに掲載】