JA長野厚生連佐久総合病院(伊澤敏統括院長)は22日、高齢者や認知症患者らが穏やかな入院生活を過ごすことを目的とする「院内デイケア」の開所式を行った。6月から準備を始め、マンパワー不足が懸念されていたが、同院OB・OG(コメディカル、事務職ら)22人がボランティアとして参加することとなり開設の準備が整った。開所式で伊澤統括院長は「この場所で楽しい時間を過ごして、これまで以上に元気になって退院してほしい」とあいさつした。
院内デイケアは、毎週火、金曜日の午前10時~11時30分に、新棟北病棟の5階多目的室で行う。スタッフは、看護師・介護福祉士の3人と同院OB・OGボランティア2人の計5人体制で、患者は5~6人を想定。利用対象者は院内の入院患者すべてとなっており、患者本人、患者家族の了承を得て利用となる。介護福祉士が中心となり、お手玉、輪投げなどのレクリエーションや、季節ごとのイベントを企画している。
同院によると、入院患者が短時間でも病室から離れ、さまざまな人とのコミュニケーションを取る場を設けることにより、穏やかな入院生活を送れることがねらいだという。また、7月に同院で初めて誕生した認知症看護認定看護師が、デイケアに携わる職員に認知症ケアについて専門的な立場から指導を行い、デイケアの強化につなげていく。
開所式終了後、初めての院内デイケアがスタート。利用者全員で「信濃の国」を歌い、輪投げなどのゲームを楽しんだ。今後は、状況を見ながら人数を増やし、時間を延ばしていく予定。【8月24日号タイムスFaxに掲載】