諏訪赤十字病院(大和眞史院長)は5日、同院で諏訪中央病院と共同で臨床倫理研修会を開いた。今回から初めて諏訪共立病院の職員が参加し、3病院の医師や看護師、コメディカルスタッフら107人が熱心に学んだ。昨年度に続き2回目となる研修会は、諏訪地域の医療・介護従事者が対象で臨床倫理の理解を深めることが目的。
岩手県保健医療大学長の清水哲郎氏らによる講演や、参加者が14グループに分かれてグループディスカッションなどを行った。
清水氏は「臨床倫理の基礎」と題して講演し、「臨床現場で医療に携わり、ケアをする側が患者をはじめ患者の家族とコミュニケーションを取りながら、医療やケアをする。その時に起こる問題が臨床倫理」と解説。また、医師と看護師、薬剤師、コメディカルスタッフ、事務職ら病院スタッフ全員で患者のことを考える必要があるとし、「医療現場全員でチームを組み患者のケアを行うことが重要」と述べた。
このほか、東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座特任教授の会田薫子氏が「臨床倫理エッセンシャルズ事例検討の進め方」、北海道医療大学名誉教授の石垣靖子氏が「人として遇するということ 超高齢社会の倫理」と題してそれぞれ講演した。
研修会を担当した、諏訪赤十字病院看護副部長兼教育研修推進室室員の折井こずえ氏は取材に、「地域の多職種が合同で行うことが重要。今後は病院スタッフだけではなく、福祉施設や行政などと一緒に実施したい」と抱負を述べた。【8月10日号タイムスFax】