県自殺対策連絡協議会(鷲塚伸介委員長=信大医学部精神医学教室教授)は7日、長野保健福祉事務所で今年度初の会合を開いた。県は本年度の自殺対策推進事業について、若年層の自殺率が高く自殺予防啓発のため、無料通信アプリ「LINE」と協定を締結し、SNS(会員制交流サイト)を使い中高生を対象に相談窓口などの情報提供事業を実施する方針を明かした。
県は、「誰も自殺に追い込まれることのない長野県」を目指すとして、自殺者数を年間378人以下にする目標を定めた。自殺対策強化事業の中に、うつ病対策事業が盛り込まれており、県医師会の補助事業として、内科医と精神科医が連携構築を図り、適切な精神科受診を促進するための連携検討会を郡市医師会単位で引き続き実施していくとした。
また県は人口動態統計による、2016年の県内自殺者数(暫定値)は339人で、1989年以降最小となったと報告。ただ、若年層については自殺死亡率が依然高いとし、自殺対策に継続して取り組むとした。
県内の自殺者数は近年減少傾向だが、未成年の自殺が多いことが課題。15年の自殺者数は378人で、このうち19歳以下は11人。10年から14年までの19歳以下人口10万人あたりの自殺率は4.12で、全国で最も高くなっている。これらを受けて、次期自殺対策推進計画(18~22年度)の骨子案では、子ども・若者の自殺対策を重点施策とした。
今後は、県知事らが参加する9月自殺対策戦略会議を経て、11月にパブリックコメントを実施。年内には次期自殺対策推進計画を決定する。【8月10日号タイムスFaxに掲載】