県薬剤師会(日野寛明会長)は、「薬剤師を活用した在宅医療における飲み残し・飲み忘れ防止等に対する服薬管理研修等事業」として、残薬バッグを活用した飲み残し・飲み忘れの防止事業を行う。各地域薬剤師会へ「おくすりバッグ」を配布し、地域薬剤師会はそれを会員保険薬局、会員所属病院・診療所に配布する。各施設は「薬と健康の週間」に合わせて10月17~23日を重点配布期間としてバッグを患者に配布し、次回かかりつけ薬局来局時に残薬を持参してもらうよう依頼する。
同会は2014~2016年度に薬剤師の在宅医療推進研修会事業を実施し、薬剤師の在宅医療推進と地域の在宅医療における薬学的管理の質的向上と患者のQOL向上に努めてきた。それを踏まえ17年度は実際の患者対応業務として、17年度地域医療介護総合確保基金を活用し、同事業を実施する。
薬剤師が残薬などの問題がある患者に積極的に介入し、残薬の確認・解消や最適な薬物療法の提供などに努め、その効果を検証することが目的。また、薬薬連携の観点から病院や診療所などと連携し、残薬などの問題を抱える患者情報を共有し、双方向からの患者支援にも努める。
事業期間は17年8月~18年3月で、8月に研修会を実施後、地域薬剤師会へバッグを配布。地域薬剤師会からの配布枚数は、薬局には1施設あたり50枚、病院・診療所には1施設あたり10枚を予定。病院・診療所の通院・退院患者へのバッグ配布期間は10月~11月中旬で、残薬をバッグに入れてかかりつけ薬局に持参し、相談するよう促す。薬局での残薬回収期間は10月~12月10日で、患者に配布したバッグ数と回収残薬件数を各地域薬剤師会に報告(病院・診療所はバッグ配布数を報告)。そのほか、薬剤師の在宅訪問時にバッグを持っていき、回収した残薬も一緒にカウントする。地域薬剤師会は報告書を取りまとめて同会に提出。その後同会は報告書の集計を行い、18年3月に県へ事業報告書を提出する。
同様の事業は今までにも実施しているが、今回は過去最大規模の内容となるため、同会はその効果に期待を寄せている。【7月28日号タイムスFaxに掲載】