JA長野厚生連など県内のJAグループは21、22日の両日、佐久総合病院で、「人口減少社会を問いなおす」をテーマに第57回農村医学夏季大学講座を開いた。保健・医療・福祉の第一線で真摯に活動している人をたたえる「若月賞」の受賞講演ほか、シンポジウムなどを行った。
21日の若月賞受賞講演では、川崎協同病院(神奈川県)外科部長の和田浄史氏が、「無差別・平等の医療をめざして」と題し、川崎協同病院に着任してからの20年間を振り返り、病院の職員や地域住民に助けられてきた経験を紹介。患者の金銭問題や、病院側の病診連携ができていなかったことなど、さまざまな課題がある中、「患者をはじめ患者の家族や病院の職員も同じ問題を全員で考え、解決する形が本来の医療」と強調した。
また和田氏は、川崎協同病院についてすべてのベッドで差額室料のない診療や、無料低額診療事業などを行っており、無差別平等の医療を目指し活動していると説明。地域で自分ができることを追い続けているとし、「地域のニーズに合わせて自分が変わる勇気が必要だ」と訴えた。
同日はほかに、若月賞受賞者で認知症介護研究・研修東京センター研究部長の永田久美子氏の講演なども行われた。【7月26日号タイムスFaxに掲載】