県立信州医療センター(旧県立須坂病院、寺田克院長)は24日、第1回運営協議会(会長=三木正夫須坂市長)を開き、28年度の業務実績や決算状況を報告した。昨年8月からの分娩休止などが影響し、当期純利益は当初計画比、前年度比ともにマイナスとなったことを示した上で、17年度は内視鏡分野の医療技術向上や外来化学療法室の体制強化、通院2日ドックなどの新メニュー提供に取り組むと説明した。内視鏡検査は8300件、新外来患者数は2万6500人を目指す。
信州医療センターの16年度業務実績は、新外来患者数2万5052人(前年度比1449人減)、時間外救急外来患者数9169人(同156人減)、救急者受入患者数1687人(同58人増)、手術件数1546件(同157件減)、分娩件数は9月以降ゼロが続き、前年度比107件減の82件にとどまった。内視鏡検査数は6605件で前年度から245件増えた。整形外科の医師数減による外来患者減少なども響き、当期純利益は714万8000円で当初計画比1億3265万円減、前年度比8422万3000円減となった。
今年度は、病院名変更や新棟開設、感染症センター開設など医療・介護サービスの提供体制改革を踏まえ、新規・拡充事業に力を入れる。内視鏡検査を積極的に行うほか、通院型2日ドックなど新メニューの提供、常勤の感染症専門医による専門医療の提供、18年5月の電子カルテ更新に向けた取り組みを実施する。
寺田克院長は、2025年から30年に向けて二次医療圏では呼吸器系疾患や骨折などの外傷による入院患者が増えると予測。病院や病棟ごとの機能分化が求められる中、同院は一般急性期医療を主軸に回復期機能も保有していくと展望した。
委員からは、地域連携室の役割についての質問や待ち時間の短縮に向けた取り組みを求める声が挙がった。【7月26日号タイムスFaxに掲載】