伊那中央病院(川合博院長)は13日、「医療と介護連携の交流会」を同院で開いた。病院とケアマネジャーらが連携し患者の退院支援の充実を図るのが目的。上伊那地域のケアマネ事業所や行政担当者らと同院の看護師長、退院調整スタッフなど約50人が同院の退院支援に向けた取り組みを確認した。ケアマネジャーが入院前から利用者の在宅への思いを確認できていたことや多職種との情報共有による連携により、気管切開の入院患者が在宅につながった事例を振り返り意見を交わした。
同院の地域医療連携室退院調整係長の松下容子氏が、退院支援の流れについて説明した。同院ではケアマネジャーと連絡を取る担当職員が2病棟に1人配置されている。また退院調整を行うスタッフは患者のADL(日常生活動作)やサービスの利用状況、患者の生きがいや望む生活情報を収集し、病棟看護師と退院後の計画を決めるほか、ケアマネジャーらと連絡を取り退院準備を進めている。
事例患者は76歳の女性で要介護3。入院後胃ろうを増設し、在宅を目指すために気管内吸引が必要で気管切開した。事例患者の意見交流では、家族の在宅への思いが明確だったため早期から家族に指導ができた。また在宅への思いを叶えるため家族と院内外の多職種が一丸となって細かな相談を積み重ねた素晴らしい事例だと意見が挙がった。
交流会は昨年から開き、今回が2回目。年内にあと1回予定している。【7月18日号タイムスFaxに掲載】