発足から3年目を迎える日本プライマリ・ケア連合学会長野県支部は8日、佐久市内で支部総会と学術講演会を開いた。発足時の役員が任期を迎え、新たな体制作りが期待される中、支部長には古川善行氏を再任。理事全体では新人9人を含む20人を承認し、再スタートを切った。古川氏はあいさつで「プライマリケア医の生涯教育や総合診療医の育成支援に加え、公共的なイメージアップに力を注ぎたい」と話し、市民公開講座の開催などを通じてプライマリケア医の周知に務めていく方針を強調した。支部会員は今年度137人となり、引き続き各地域での研究会などを行っていく。
支部総会に続く学術総会では、プライマリ・ケアの質向上や普及に貢献した者に贈られる田坂賞を受賞した倉澤剛太郎氏(小諸厚生病院産婦人科)が「地域で女性の健康を守る」と題して記念講演した。「へき地や離島でも一番幅広く診療ができる」との思いから産婦人科を専攻したことや、「目の前の患者にできうる幅広い医療技術を身につけニーズに沿って実践する」ことをモットーに、へき地の診療所などで地域医療に務めたことを話した。
小諸厚生病院は産婦人科医の不足により分娩を休止していたが、2012年に倉澤氏が着任して分娩を再興。昨年2月からは総合診療医とのチーム体制での診療を開始している。【7月11日号タイムスFaxに掲載】