県立こども病院(原田順和院長)は、8床から12床への増床工事を進めていた小児集中治療室(PICU)がこのほど完成し、9日に竣工式を開き約60人が参加した。ここ5年、基幹病院からの重症患者搬送が増えているほか、院内の定期手術がPICUの不足により、延期するケースが多いことから4床増床した。
工事は、第1期工事として2016年7月に既存8床分を南側に移設する工事に着手、翌17年3月に完成し使用を開始した。第2期工事は同3月、旧ICUを改修し、増床分の4床を設け、新たに処置室を設置した。内装にはパステルカラーで山や花を彩り、全国でも珍しいホスピタルアートを施した。増床分は10日から使用を開始した。
竣工式で、県立病院機構の久保惠嗣理事長は、「少子化の時代だが、小児救急・高度医療の需要がますます高まっている。県内小児医療機関や信大などと連携を深め、PICU12床を最大限活用するため、一層努力したい」とあいさつした。
■「今後は、慢性期への対応」 原田院長
原田院長は、同院のPICUの歴史や今回の工事経過を報告し、「増床に当たり多くの皆さんに協力をいただいた。これから活用するのは私たちの大きな責任」と述べた。
医療タイムスの取材に対し原田院長は、「急性期部分は一区切り。今後は、退院後の在宅で医療を必要とする慢性期への対応を考えていきたい」と抱負を語った。
増改築の床面積は796㎡で、うち増床が382㎡。総事業費は6億3900万円を投じた。【7月11日号タイムスFaxに掲載】