諏訪赤十字病院サービス向上委員会(宮坂佐和子委員長)は19日、職員を対象に「認知症サポーター養成講座」を同院で開いた。60人が受講し、認知症患者と家族を地域で見守るサポーターとしての心構えを寸劇も交えて学んだ。
講師を務めた同院看護副部長の松木博美氏は、認知症患者に対する基本の心得として、「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」の3点を挙げ、「認知症と思われる人をジロジロ見るのは禁物。恐怖心を抱かせないように、笑顔で穏やかに対応することが大切」などと説明した。
「認知症サポーターは特別なことをする人ではなく、患者と家族の応援者。偏見を持たず、『お手伝いできることはありますか』と、地域で一声かけることから始まる」と呼び掛けた。
職員2人が台本を考えた寸劇では、認知症患者への接し方の良い例と悪い例を分かりやすく伝え、受講した職員らは「介護する側に余裕がないと強引になってしまい、反発を受けてしまう」「否定的でなく、肯定的な言葉をかけていきたい」などと感想を話した。
■140人超のサポーター養成
全国で認知症サポーターの養成が進む中、同院も昨年12月に初の養成講座を開催。2回目となる今回と合わせ140人を超えるサポーターを養成し、今回の受講者全員にも、認知症サポーターの目印となるオレンジ色のリストバンドとバッチを手渡した。
同院副院長で看護部長も務める宮坂委員長は「今後は地域にも出向き、若い世代にも認知症サポーターを広めたい」と話していた。【6月26日号タイムスFaxに掲載】