須坂市、小布施町、高山村の須高三市町村と須高三師会、須高三病院(須坂病院、轟病院、新生病院)は、同三師会との災害時の医療救護活動に関する協定書に基づき、昨年度から進めていた大規模災害時に備えた医療救護計画書「須高地域災害時医療救護活動マニュアル」を策定し、今月から三師会員や関係機関に配布した。
マニュアルは救護所の設置や役割分担、情報伝達手段など概要9項目のほか、災害診療記録や業務日誌、ヘリポート・救護所マップなどの資料で構成している。マニュアルの冊子はA4判50ページ。500部作製した。
救護所は須坂市に4カ所、小布施町と高山村に各1カ所を設置。医療救護班本部を設置する三市町村役場と、救護所、須高三師会、三病院の計15カ所と関係機関を結ぶため、指揮命令系統の体系や情報伝達手段を取り決めている。
■災害診療記録、複写式で搬送先病院の再診療に活用
医療救護班の本部と救護所を色分けしてそれぞれの役割をわかりやすくした。災害診療記録は日本救急医学会が作ったものを参考に、複写式にして一部は被災患者が保管し、搬送先病院などでの再診療に活用できるように工夫したという。
須高医師会長(須坂市・下鳥内科クリニック院長)の下鳥正博氏は、マニュアルはほかの地域を参考にしながら策定したとし、「医師の安否確認と救護所への派遣のための連絡網として医師会ではオクレンジャーを取り入れた。今後は救護訓練や、従来の総合防災訓練に策定したマニュアルを活用し訓練を実のあるものにしていきたい」と抱負を述べた。
また大規模災害が発生し医療を受ける場合は診療所でなく設置された救護所に行くことを啓発する目的として、医療機関・薬局や自治会公会堂等への掲出用にポスター300枚と住民用チラシ3万枚を作成し、チラシは今月から須高3市町村の全世帯に配布している。【6月22日号タイムスFaxに掲載】