日本赤十字社県支部(阿部守一支部長=県知事)は、県内6病院の2016年度決算をまとめ、15日の評議員会に報告した。本業の医業収支をみると、長野、諏訪、安曇野が黒字を確保し、ほかの3病院が赤字を計上。6病院全体の赤字額は、前年度より9182万円減少し、8165万円となった。
6病院それぞれの医業利益(▼は損失)は、長野3億7760万円(医業外含む純利益5億6264万円)、諏訪3279万円(同1億1841万円)、安曇野6914万円(同1億611万円)、飯山▼4億3711万円(同▼4億2939万円)、下伊那▼4033万円(同3934万円)、川西▼8375万円(同390万円)だった。全体の当期純利益は、前年度から1億7820万円増加の4億103万円で黒字を確保した。
長野と諏訪は、ともに8年連続となる黒字決算。長野は入院・外来患者数が減少したものの、がん診療体制の充実などにより診療単価が増加したことで、医業収益が前年度比1.1%増の213億6822万円だった。諏訪も前年度から1.1%増加の152億4160万円で、入院患者数や高額点数手術が増えたほか、新たな施設基準取得をしたことによって伸びた。
■安曇野は16年ぶりの黒字
安曇野は地域包括ケア病床開設や、重症病床再編などの病床機能見直しにより、入院患者数が増加して、2000年以来16年ぶりの黒字決算となった。
医師不足により救急診療を制限している飯山は、外来患者数の減少などによって、医業収益は前年度から1億5245万円減少した。
下伊那と川西の当期純利益については、ともに黒字決算。下伊那は整形外科の常勤医師を1人増員したことにより、8年連続の黒字決算だった。川西は地域包括ケア病床を13床から17床に増床したことや、診療単価の増加に伴い、一定の経営改善につながった。【6月19日号タイムスFaxに掲載】