昨年8月から入院患者に音楽療法を実施している松本市の相澤東病院(宮田和信院長)は、療法が好評なことから市民にも公開することにし、第1回を2日に行った。患者10人、市民30人が参加。診療部長近藤清彦氏(神経内科)の指導でキーボード演奏に合わせ1時間、「誰か故郷を想わざる」「あざみの歌」「北国の春」など12曲を歌い、生きる力を与える音楽に「心を癒された」と話していた。
昨年4月に同病院に赴任した近藤氏は、前任の八鹿病院(兵庫県)などでの経験に基づき、入院生活に潤いをもたらし、心のケアをしようと音楽療法を始めた。八鹿病院は2000年に音楽療法士2人を採用し、病棟・病室での音楽療法を行っている。相澤東病院では医師2人、介護職2人が担当し、週1回、30分、入院患者10~15人が主として昭和の歌謡曲を歌い、楽しんでいる。
近藤氏によると、普段は前日のことを全く覚えていなかった83歳女性が、音楽療法翌日に「歌はよかった。学生のころを思い出した」と語るなど、効果が出ている。
音楽療法の市民公開は月1回で、次回は7月7日を予定している。【6月16日号タイムスFaxに掲載】