諏訪赤十字病院(大和眞史院長)は12日、開発した点滴ルート抜け防止器具「点滴クリップ」が、国際モダンホスピタルショウ2017(7月12日~14日、東京ビッグサイト)の特別企画「第10回こんなものを作ってみました!看護のアイデアde賞」でグランプリを獲得したと発表した。同賞は医療従事者の工夫やアイデアを審査し、応募総数62点の中から県内の医療機関としては初めて最高賞に輝いた。
グランプリを受賞した「点滴クリップ」は、薄いプラスチック製で、長さ9㎝、幅5㎝。輸液パックから点滴ルートの抜け防止になり、シンプルで携帯性がよく、安価。また、過度な力が加わるとクリップが外れ、点滴スタンドが倒れずに針が抜ける仕組みになっている。同院をはじめ、NPO諏訪圏ものづくり推進機構とレンズの設計や加工を行うフィット(諏訪郡下諏訪町)の共同開発で、点滴のキャップ口形状に合わせて16種類作成した。
大和院長は、患者が転んだり、自分で点滴を抜いてしまったりする場面があるとし、「病院は患者安全が第一。地元企業と協力して看護師の発想をうまく捉えてくれた」と話した。
同賞の授賞式と作品紹介は、最終日の7月14日(金)に会場内で行う。
国際モダンホスピタルショウは、350社が出展し、医療関係者を中心に来場者8万人を越える国内最大規模の展示会。今年は「健康・医療・福祉の未来をひらく~連携と地域包括ケアの充実を目指して」をテーマに開催する。日本病院会(相澤孝夫会長)と日本経営協会(浦野光人会長=ニチレイ相談役)が主催。【6月14日号タイムスFaxに掲載】