新潟薬科大学が上田市で検討している薬学部開設について、阿部守一知事は2日の会見で、「上田市がどう判断されるか分からないが方向性を伺い、意向を尊重して対応を考えたい」と述べた。
県内では初となる薬剤師養成機関の開設に向け、同大は県と上田市にそれぞれ25億円の資金援助を求めているが難航。教育面での協力が不可避となる県薬剤師会も現在まで「賛成しかねる」との姿勢を崩さず、賛同を得られていない。一方、大学内でも長野薬学部開設には慎重な声があり、計画は当初の予定を1年延期したものの、見通しはいまだ不透明な状況だ。
阿部知事は、県の対応を考えるにあたり先月までに県薬剤師会、県医師会、県歯科医師会の意見を聴取し、各団体の意見を上田市にも伝達したことを説明。その上で「高等教育の振興は必要だと思うが、学部学科の内容や教育の中身、設置主体のあり方など、地域によっていろいろと考え方がある」と話した。県として「一概にどんなもの(大学)が良いとか適当ではないとかあらかじめ考えているわけではない」とし、支援をどうしていくかについては上田市の方向性を聞いた上で対応したいと繰り返した。【6月5日号タイムスFaxに掲載】