長野市民病院評価委員会は5月30日、2017年度第1回会合を開き、救急患者の救急専用病棟(ECU)での受け入れ実施や、高度専門的ながん診療の提供などを盛り込んだ17年度計画について、病院側が委員らに説明した。
救急医療体制では昨年7月にECUを10床開設し、緊急で入院を必要とする救急患者の受け入れを強化している。
また、急性期後の高齢患者に対する自院の病床機能の見直しやかかりつけ医との連携を踏まえ、昨年8月に開設した地域包括ケアセンターの体制充実を図るとともに、認知症を持つ急性期患者に対しては、院内に認知症ケアチームを設置し適切な対応に努めるなど、高齢者に配慮した医療を提供する。
さらに、4月からがん治療センターを「がんセンター」に名称変更し、肝臓・胆のう・膵臓外科に続き、4月には頭頸部外科を新たに開設。内視鏡手術では前立腺がんや腎臓がんに続き、胃がんについてもロボット支援手術の症例数を増やすなど、患者に負担の少ない治療を推進する。放射性診断では、昨年11月に導入した最新型CTを効率的に運用し、さらなる機能充実を図る。
委員から「がん死亡患者の遺族が心の回復をできるような体制はないか」との質問に、同院は誰でも参加できるサロン形式で医療従事者やボランティアがサポートを行っているほか、社会労務士ががん患者の就労相談に応じるなど、全国でも珍しい相談機能を持っていることを説明した。
経営面では、増収対策プロジェクトチームの活動により、診療報酬の算定強化や請求漏れ、査定減の防止対策を徹底するほか、コスト適正化プロジェクトチームの活動により、院内にコスト意識を図り、収支バランスの健全化に努めるとした…【6月1日号タイムスFaxに掲載】