小児科医や救急医の負担軽減などを目的に県が実施する小児救急電話相談事業(#8000)の16年度相談実績が7124件に上り、前年から778件増えたことが分かった。29日に開いた県保健医療計画策定ワーキンググループ(小児・周産期医療)会議で県が報告した。
県によると、県内で小児科を標榜している医療機関は2014年時点で病院が71、診療所が345施設。2010年からの4年間で病院は2.7%、診療所は15.4%減少した。小児科医は14年時点で287人おり増加傾向だが、小児救急センターを運営するためには不十分で、特に中山間地への対応は課題とした。
小児救急電話相談事業は、2008年から「e-MADO病気のこどもの総合ケアネット」に委託し、看護師などの相談員と後方支援医師、薬剤師の相談体制で実施。09年度以降の相談実績は4000件から7000件で順調に推移し、不足している小児科医の業務負担軽減が期待されている。
16年度の相談内訳をみると、患者年齢は就学前が6272人で約8割を占め、相談内容は「発熱」が突出して多かった。対応内容では、「すぐに医療機関を受診するようすすめる」「119番通報をすすめる」が合わせて1362件で、多くは軽症だった。
事業の認知度については、30歳から39歳の年代で39.2%に上るとして、県は「一定の認知度はある」と説明。継続して事業推進に力を入れていく方針を示した。会議では「広報活動を継続して行う必要がある」などの意見が出された。【5月31日号タイムスFaxに掲載】