県立総合リハビリセンター所長に4月1日付で就任した。同センターは、施設内に自動車運転訓練所や職業訓練の模擬会社など、患者のその後の生活に直結した機能を持つ全国でも限られたリハビリテーション病院。「県立の医療機関としてどんなリハビリを担うのか」と、県内での位置付けや意義を強く意識する。「単に神経をつないでも訓練なしでは動くようにならない」と話し、専門家として地道な経験の積み重ねを外部に発信することで、リハビリの重要性を広く知ってもらうのも役割の一つと強調した。
研修医時代、脳卒中や脳性まひの患者と接し、脳の仕組みや働きについて「どうなっているのか」と興味を持った。細かく診ていくことで治療法を確立できると直観し、現在に至っている。未来に向けては、「まひした手足が治り、認知機能障害でも頭で考えたことを読み取る機械ができるなど、夢のような時代が訪れる」と前向きな情熱で取り組む。
余暇ではカヌーやバックカントリーなど多彩なアウトドアスポーツを楽しむ。着任した同センターで職員の音楽バンドと出会い、「自分も何かできないか」と始めたサックスは12年のキャリア。患者らの前でも定期的に演奏を披露する。大阪府出身、61歳。1980年信大医学部卒。【5月19日号タイムスFaxに掲載】